リハビリ病院に転院 なにを準備しておけば良いの?

入院でのリハビリテーション
ミチル
おじいちゃん、今度、リハビリの病院に移るんだって
チルチル
何か用意しなくていいのかな? お母さんに聞かなくっちゃ

病気やケガの直後は、主に急性期の病院で治療を受けます。病状が安定した後、さらにリハビリが必要な場合は専門の病院へ転院となります。

転院するにあたり、着替え、タオル、歯ブラシなど日用品は当然必要ですが、リハビリだからといって特別に用意しておくものはありません。しいて言えば、それまでずっとベッドで安静にしていて、浴衣のような服しか手元にない場合は、本格的なリハビリが始まった時に動きづらいので、ジャージなどもう少し動きやすい服を用意した方が良いでしょう。何を持ってくるべきか迷うと思いますが、普段、室内で着るような軽い服装がちょうど良いと思います。反対にジーンズなど固い素材は避けましょう。

脳梗塞、脳出血などで上肢(肩から手までの部分)に重度の麻痺がある人は、上着は首から被るものではなく前でとめるタイプのものがお勧めです。被りものの場合、肩の動きが不十分だと腕を袖に通す時に痛みが出ることがあります。ボタンやチャックの操作で行いにくい点はあるのですが、介助する側の労力的にも前でとめるタイプの方が便利でしょう。

肌着についても、あまり窮屈過ぎるものは同じ理由で着替えにくいです。首回りがギリギリではなく少し余裕がある方が良いでしょう。
また、スリッパでは運動が行いづらいので靴は必要になります。ただし、あらためて買わなくても、最初は室内で履ける踵があるもの(踵の後ろが解放されていないもの)でしたら、間に合わせで良いと思います。手軽なスニーカーがあれば最初はそれで良いと思います。

というのも、実際にリハビリが始まると、その人の運動機能に合わせて理学療法士などから靴に関するアドバイスが聞けるからです。リハビリを専門にしている病院でしたら、出入りしている福祉用具の業者がいますので、わざわざ靴を買いに行かなくても、取り寄せることができます。

間に合わせの靴がどうしてもなくて、事前に用意する必要がある場合は、踵がしっかりしているもので、靴ひもでなくマジックテープでとめるものが使いやすいと思います。手足が不自由であったり、座ることが不安定であったりすると、靴を脱ぎ履きするのもなかなか困難です。最初のうちはマジックテープでワンタッチのものにしておくと便利でしょう。

病院の多くには床頭台と言って、ベッドの横に収納を兼ねた簡易の机のようなものが用意されています。そこには皆様、色々なものを置いています。家族の写真であったり、時計であったり、日にちの感覚をなくさないように卓上カレンダーであったり、見舞客が待ち時間に退屈しないように本であったり、内容は人により様々です。
昔の姿や家族の写真が飾られていると、慣れていないスタッフともそれが話すきっかけになるかもしれません。いずれも急に必要なものではありませんが、少しずつ整えていくとベッド周りに寂しさがなくなります。

心付けを渡すべきか迷うこともあるようですが、一切必要ありません。病院のスタッフは受け取らないように教育されており、無理に渡そうとする方もいますが、かえって困ってしまいます。もし、どうしても感謝の気持ちを伝えたいのであれば、退院時に菓子折りなどを持っていくと良いでしょう。ただ、これも本来は必要ないものです。無理に用意することはないでしょう。