カンファレンスとはなにか

入院でのリハビリテーション
ミチル
おじいちゃん、今度カンファレンスがあるって、お母さん言ってたよ
チルチル
”カンファレンス”ってなんだろう?

カンファレンスとは直訳すると、会議、相談、会談という意味です。医療や介護の場合は、スタッフ同士の会議や、本人や家族を交えた病状説明や今後の方針の打ち合わせなど多くの意味で使います。
リハビリでは日を追うごとに状態が変わります。後遺症を残すことで以前と違った生活環境が求められることもあります。
スタッフ同士はもちろんですが、本人や家族にも現在の病状を理解していただき、目的や方針を共有することで、残された入院期間をより有意義に過ごすことができます。

病院によって呼び名や行う時期が異なるかもしれませんが、患者様や家族が関わるものは主に、中間カンファレンスと退院前カンファレンスの2つがあります。場合によっては初期カンファレンスを加えることもあります。

初期カンファレンスは入院直後に、ご本人、家族から今後の希望やこれまでの経緯を伺い、これからの入院生活の流れを説明します。

中間カンファレンスは、病院によって形がいろいろと異なります。1ヵ月ほどの間隔で何回か行う病院もあれば、後半に差しかかったくらいの時期に1回だけ行う病院もあります。当初に入院期間をどのくらいに予定したかでも、行う時期や頻度が変わってきます。

特に大きな意味を持つのが入院期間も後半に差しかかり、リハビリの見通しが立つ時期に行われる中間カンファレンスでしょう。

この時期には退院後に自宅に帰るのか、施設に入所するのか、どこか他の病院に転院するのかなど、結論を出す必要があります。重い後遺症が残りそうな患者様やその家族の方には難しい決断を強いられます。特にご家族にとって厳しい時間になるかもしれません。

患者様の大半は家に帰りたいと言います。しかし、介護をする家族からすると、その後の生活への不安が心を圧迫し、自宅に帰さなくてはいけないという義務感と板挟みになります。それはとても辛いことです。

ここまでの入院期間で考えを先送りしていると、結論を迫られて急にあわてることになります。

退院前カンファレンスは自宅に退院するにあたり、その後在宅でサービスを担当する関係者も交えて、顔合わせや打ち合わせを行います。

医師から病状の説明や、看護師から実際の生活の様子が伝えられ、自宅で健康管理を行う訪問看護師は、実際にどのような援助が必要か、注意すべきはなにか考えます。また、ケアマネージャーは必要なヘルパーや頻度、その他のサービスも具体的に内容を詰めていきます。福祉用具業者はレンタルする物品について、より本人に合ったものがないか考えます。

本人や家族にしても、これから在宅でサービスを受ける人たちと顔を合わせることは、何より安心できると思いますし、サービス関係者としても実際の声を聞けることで、その後の支援のイメージが描きやすくなります。

カンファレンスはその人の病状、必要性に応じて、その形が変わってきます。例えば、ほぼ入院前の状態に戻っているのでしたら、カンファレンスを行わないこともあります。
退院が急に決まった場合や、サービスの手配が遅れるなどで、退院前カンファレンスが行えなかった場合でも、ケアマネージャーや訪問看護師は病院に状態を聞きますし、退院後はサービス担当者会議といって、関係者が集まる機会が別にあります。

病気になり障害を持つと様々な支援が必要になり、人と関わることが増えて、カンファレンスのように相談や決断をする機会が増えていきます。しかし、不安があってもそれは漠然としていることが多く、情報がないと決断もなかなかできません。

入院生活では何もかもが初めての経験でわからないことだらけだと思います。特に家族にとっては病院で生活しているわけではないので、見えないところも多いと思います。無理のない範囲で病棟やリハビリ室に足を運んでみましょう。そこであらかじめ、家に帰ってからの生活を想像してみると良いと思います。おそらく不安なこと、わからないことがたくさん出てきます。もしかしたら「何が困るかも分からない」という場合もあるかもしれません。そのような場合は試験的な外泊を考えることもできます。

リハビリの見学についてはこちらの記事「病院での家族の過ごし方 ~リハビリ見学のすすめ」も参考にしてみてください 😊

少し事前に考えておくだけでも、いざ事態を前にした時の心の落ち着きが変わり、より有意義なカンファレンスになると思います。カンファレンスの時には遠慮なく不安やわからないことを聞くようにしましょう。